正しい使用によってウェビングやツリースリング等の破断のリスクが大幅に減ります。
破断した場合は自身のみならず、周りの方にもリスクが及びます。
以下の点を留意して安全なスラックラインをおこないましょう。
1.運用強度
ウェビングごとに設定された運用強度を守り、過度なテンションをかけない。
またウェブロック、マイティロックを使用する事でウェビング本来の強度の90%以上の強度を引き出せます。
チェーンロックは75%〜80%程度になります。
結び目の種類によっては強度が半分以下になってしまいます。
2.ウェビングの寿命
ウェビングは消耗品です。以下の使用期限を目安に安全に使用しましょう。
寿命は使用頻度によっても変化します。
2-1.正しく使用した場合の平均的な寿命の目安
・ほぼ毎日または毎週の使用:3〜6ヶ月
・月に1、2回の使用:1-2年
・使用頻度が低い場合 :2-5年
・未使用かつ適切に保管された場合でも製造から最大10年で破棄
3.寿命を縮める要因
ウェビングの表面は紫外線、摩擦のダメージにさらされています。
表面また側面が損傷するとウェビングの強度が落ちます。
3-1.摩擦
・衣類の金属製のボタンや、ベルトなどを装着したまま乗ると、引っかかった時にウェビングを損傷する可能性があります。
・歩行ウェビングがウェブロック以外(樹木、岩、その他)に触れない様にし、摩擦が起こる可能性に留意しましょう。
3-2.土や泥
土、泥がウェビングの折り目に入ると繊維が裂けはじめ強度が落ちます。
・ウェビングを地面に引きずる行為は避けましょう。
・スラックラインに乗る前に足裏の土、泥を落としましょう。
また雑菌やバクテリアにより繊維の分解が早まる可能性もあります。
3-3.化学薬品
化学薬品はウェビングにもっともダメージを与える危険性があります。
ウェビングの強度が50%以上低下する可能性があります。
接触の疑いがある場合はウェビングを破棄してください。
・硫酸(自動車のバッテリーに含まれる)
・漂白剤
・塩素
・し尿がつき細菌繁殖した場合
・その他の薬品
3-4.紫外線
紫外線はウェビングの繊維にゆっくりダメージを与えていきます。
保管する際はバックに入れて直射日光を避けて保管することが重要です。
3-5.ダメージの蓄積
・同じ箇所に乗り続けると他の箇所に比べダメージが蓄されていきます。
・ウェビングを固定している箇所は毎回少し変えてやることでダメージの蓄積を減らせます。
・ウェビングの上面は紫外線のダメージを直接受けるので、上下ひっくり返してまんべんなく使用することでダメージの蓄積を減らせます。
5.メンテナンス
土、泥などの汚れが付着した場合のウェビングのケアの方法です。
・それほど汚れがひどくない場合は陰干し後、ブラシで落とします。
・汚れがひどい場合は、大きなタライなどに薄めた中性洗剤を入れてブラシ等で洗います。
※漂白剤またはそれを含む洗剤は使用しないでください。
※紫外線劣化防止の為必ず陰干しをしましょう。
※保管する前に完全に乾燥していることを確認しましょう。
6.点検、破棄
目視点検、触手点検を行い 以下の症状が見られた場合、使用を中止、破棄してください。
・ウェビングに裂け目や穴が見られる。
・ウェビングが焼け焦げるまたは溶けている。
・縫い目の解れやがみられる。
・紫外線で退色している。
7.ウェビングの保管場所
・湿気がこもりにくい風通しの良い場所に保管する。
・直射日光、紫外線か当たらない様にバック等に保管する。